第109号 信じることの不思議
今年も、ようやく桜が咲き、プロ野球もシーズンを迎えました。
そんな中、アメリカで大活躍中の、大リーガーであるダルビッシュ有(ゆう)が言った言葉を紹介させていただきます。
ダルビッシュはイラン人の父と日本人の母を持つ偉大なピッチャーです。そのダルビッシュが「結果はコントロールできない、コントロールできるのは過程だけ」と言うのでした。
私はそれを聞いて、努力の人だからこそ自分自身を信じてプレーができるのではないかと感じました。もちろん、平々凡々な私は、ダルビッシュ以上の努力が必要なのではないかと想うのです。
初めの詩は、春の訪れが待ち遠しくて、一日千秋の思いで作ったものです。
私にとっての春の到来は、プロ野球のペナントレースの始まりを意味しています。
どうぞ読んでください。

〈私の春〉

節分は過ぎ
梅が花開く頃
もう一息で春の訪れだと思い
荒川土手が
菜の花の香りで満たされると
いよいよ春が来たと思う
春一番が
ニュースに流れる頃
ようやく冬も終わりかなと思い
春分も近づき
陽光が力強くなると
もうすぐ春の始まりだと思う
引越し屋の車が
街で沢山走り出すと
待ちわびた春も到来かと思い
近くの桜並木が
満開になると
今年もすっかり春本番だと思う
選抜高校野球の
組み合わせ抽選会の日が来ると
待ちに待った
球春も到来だと思い
プロ野球のペナントレースの
開幕の日が来ると
朝から心わくわく
私の春が来たと思う

▽ 皆さんの中には、花粉症でお悩みの方も大勢いらっしゃることでしょう。
それなのに、手放しで春を喜ぶ詩を掲載してもらい、申し訳ありませんでした。ただ純粋に、プロ野球の開幕が待ち遠しいだけの私なのです。
次の詩は「待つ」ということの不思議さを書いたものです。
皆さんも、待つということの力を感じたことは何度もあることでしょう。待って待って食べた食事は、美味しさが倍増しますね。では読んでください。

〈時間とともに〉

会えない日々が
信じる力を強くしてくれ
愛しいあなたを
想う時間が増えて行く
・・・・
温かな春には
芽吹く草木の力強さや
散って行く花の儚さを
情熱の夏には
挫けない強い心や
カッと燃え盛る瞬発力を
彩りの秋には
実りの喜びや
弛まぬ努力の大切さを
不思議いっぱいな冬には
宇宙に潜む神秘や
愛することの喜怒哀楽を
私に教えてくれる
そうして私はまた
信じることの哀歓を知る

▽ 待つということは良いことばかりではなく、イライラを募らせることもありますね。
しかし、信じて待つことで「待てば海路の日和あり」と言うように、良いこともあるのではないでしょうか。
ところで、始めの詩の中にある「思う」と、次の詩の中に出てくる「想う」の違いに気づいていただけたでしょうか。

※ 待てば海路の日和あり(まてばかいろのひよりあり):成句:今は思うようにいかなくても、じっと待てばそのうちにチャンスがめぐってくる。
だから辛抱強く待て、ということ。「待てば甘露の日和あり」ともいう。
今回も、最後まで読んでくださりありがとうございました。
石田眞人でした