第108号 貴方は貴方 私は私
あれは確か、私がまだ30歳になったばかりの頃のことです。元千葉県議会議員の先生と知り合い、夕食に誘われ、ずうずうしくも遠慮もせずに4人で焼肉を囲んでいる時のことでした。
それは、元県議の先生に突然言われたことでした。今でも、ありありと思い出します。「『あの人は良い人だ』という意味を翻訳すると、『あの人は私にとって都合のいい人だ』ということなのだよ」と言うのでした。私にも覚えがあったので、妙に納得してしまいました。
初めの詩は、あいつはあいつ、私は私ということを自分自身に言い聞かせるために作った詩です。
どうぞ読んでください。
〈凍えるほど青い空・炎上するほど赤い太陽〉
見上げれば
心底凍える程の青い空
誰もが嫌悪する
冷たく乾いた空っ風
俺が震え上がろうと
あいつが嫌おうと
お構いなしに吹きすさぶ
これが俺さとばかりに
今日もまた
赤城おろしは荒れ狂う…
全身から噴き出す汗
これでもかと言わんばかりに
炎上する太陽
人は木蔭を求め
木々は雨を待ちわびる
この私が森羅万象を
活かしているのさと言いたげに
メラメラと陽炎を揺らして
毅然として胸を張る…
冬の嵐も
炎昼(えんちゅう)の太陽も
与えられた役目を果たすだけ
それならこの俺も
人から噂されようが
人から笑われようが
人から嫌われようが
俺は俺
自分に恥じない
生き方をするだけさ
と…言い聞かせてみる
※ 炎昼(えんちゅう):真夏の暑い昼下がりのこと。
▽ 人間は、それぞれ違った個性を持っているのですから、みんな違った人生があっても当たり前ですよね。
もちろん、私には私の、あなたにはあなたの生き方があって当然のことと思います。
次の詩は、四年間寝たきりだった母が亡くなったと連絡を受けた時の気持ちを詩にしたものです。
どうぞ読んでください。
〈母が死んだ日〉
覚悟はできている
と思っていた
覚悟をしていた
はずだった
・・・・
窓の外は
満天の星くず
心にしみるほど
漆黒の空を
飾り立てている
街は夢の国へ
迷い込んだまま
眠り続けている
いつもと変わらぬ午前一時
それなのに身体は重い
心に力が入らない
令和五年三月九日
この日は私の
特別な夜となった
▽ 父は77歳間近で、母は90歳で亡くなりました。
なぜか父が亡くなったときよりも、母が亡くなったときの方がショックが大きかったのでした。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
石田眞人でした