第105号 人も人生も様々
去年、同級生二人亡くしました。
一人は、中学時代から高校を卒業するまで、部活(柔道部)も、学校の登下校も、映画館に行くのも、オートバイを乗り回すのも、いつも一緒だった親友でした。
もう一人は、小学から中学まで同じ学校だった仲良しでした。二人とも65歳でした。
人生いつなにが起こるかわからないので、今を悔いのないように思い切り生きたいと思う私です。
ある本に『過去があるから現在があり、現在があるから未来が有る』と書いてあったことを想いだします。
初めの詩は、そんな現在を支えている過去を思い起こしてみた時に、感じたことを書いてみました。
どうぞ読んでください。
〈悲しみと苦しみと喜びと〉
悲しみは
数えきれないけれど
苦しみは
想いだしたくもないけれど
ほんの僅かな喜びだけで
昨日まで生きてきた
後悔は
後を立たないけれど
失くしたものは
忘れたけれど
季節の風から
勇気をもらい
今を歩いている
出会いと別れは
月の光にさえ
霞んでしまうけれど
やり直したいことは
星がみんな知っているけれど
毎日昇太陽が
明日を教えてくれる
生き続けることが
こんなに苦しいとは思わなかったけれど
まさかまさか
目を失くすとは考えもしなかったけれど
あなたとの出会いが
総てを変えてくれた
▽ 本来は『後悔、先に立たず』と言いますが、いつの頃からか、若者が『後悔、後に立たず』と言っていると聞いた時に、上手いことを言うなと感じたものでした。まさに私の人生は、後悔だらけです。もっともっと人との出会いを大切にしておけばよかったと、今更ながら思うのでした。
次の詩は、毎日同じことを繰り返す日々を想いながら、作ってみました。
最近、この繰り返しの日々のありがたさや、少しだけの喜びに思いをはせて生きています。
どうぞ読んでください。
〈早起きは三文の徳(得)〉
凍り付いた天上の花は
地上の星の美しさに
うっとりと酔いしれて
ひとつまた一つと溶けて行き
東の山の端が
ようやく藍色に変わる頃
気の早い一番鶏の
鳴き声に
夢を抱いて目を覚ます
・・・・
大地はようやく白み始め
漆黒に塗られた空を
藍色から赤へ
そしてスカイブルーへ変化させ上りくる
太陽の光に魅せられて
すっかり溶けてしまった天上の花は
青色に染められた布団の中で
明日を夢見て
眠りに落ちる
※ 早起きは三文(さんもん)の徳(とく):徳を得とも書くようです。早起きをすると健康にもよく、仕事もスムースに運べるという意味。
▽ 友人や知人の消息を聞くたびに、自分自身に残された未来を想う私でした。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
石田眞人でした