第103号 悪人と善人
光陰矢の如しと言いますが、令和も早7年目を迎えました。皆さんは、令和7年をどんな年にしたいとお考えですか。
早速ですが、以前読んだ本の一部を紹介させていただきます。主人公である検事のせりふの中に「悪人は自分の為に人を犠牲にするが、善人と言われる人は、人のために自分を犠牲にしている」と書いてあったことをなぜか思い出しました。
私自身を回顧してみると、ある時は悪人であったり、時には善人になったりしていたように思います。
初めの詩は、私の故郷『群馬県の子持村(現渋川市)』を想い作った詩です。子持村は、赤城山から朝陽が昇り、榛名山に夕陽が沈む村でした。何歳になっても、生まれ育った町は善いものですね。
では読んでください。

〈望郷〉

西にそびえるは
榛名山
その山の端に
燃え尽きて飲み込まれて行く
真っ赤に燃える太陽
紅く染まった山里を
包んで流れる
一陣の風
輝く風が
今日の疲れを持ち去って行く
いつでもどこでも
どんな時でも
故郷(ふるさと)に
勝るものはなし

▽ 両親が亡くなった今は、生まれ故郷に行くことがすっかり少なくなりました。
しかし、見えなくなった今は、盆暮れに里帰りしていた頃を思い出して懐かしんだりしています。
次の詩は、人と比べて思い悩む事の多い自分なのに、どうしても人と比較してしまう私に対してうんざりしながら作った詩です。
どうぞ読んでみてください。

〈コンプレックス〉

太陽は月を活かし
月は太陽をほめたたえる
そこには
コンプレックスなど
存在しない
蜂は花に魅せられ
花は惜しみなく
愛を与える
そこには
奇を衒うことなど
必要ない
空と海は
水平線で融合し
燦然として
光り輝く
青を作り出す
自然界の法則は
助け合いだけで
虚栄心など
米の粒ほども
持ち合わせてはいない

▽ 他人と比べることなど、ナンセンスだと思いながらも、ついつい比較してしまう自分がここにいます。
私はどうやら、皆さんよりもコンプレックスを多く持っているようです。
しかし、それが私なのだと思う努力をしています。
今年も新しい一年が始まります。皆様にとって令和7年が最良の年でありますように、心から祈念いたします。
石田眞人でした