第五十九号 標道を探して…
皆さんの中には「『標道(しるべみち)』なんて言葉は聞いたこともない」と思った方もいることでしょう。
この言葉は、僭越ながら、私、石田眞人が作った言葉でした。私なりの意味は『道標(みちしるべ)に導かれた道』と言う意味で使ってみました。この後に出てくる詩に使った言葉ですが、少しでも簡略化したくて使ってみました。
前置きはこのくらいにして本題に入ります。ロシアと中国の、覇権主義が表に現れてから何度となくゲーテの言葉を紹介しましたが、ここでもう一度お付き合いくださいませ。
『正義感が暴力を生む』…少し言葉を変えると『自分なりの善悪の概念が暴力や戦争を産んでしまう』…このことは、私たちの生活の中にも、当てはまるのではないでしょうか。
私は、この年になってようやく気付いたのですが、自分の考えや価値観に固
執すると、結局自分自身が疲れてしまうのでした。いつも平らかな心で過ごしたいと願いながら、己の言動が、自身の心を乱しているのです。
初めの詩は、そんな私の心境を書いてみたものです。平らかな水面(みなも)が、月を映し出すような、穏やかな気持ちで過ごしたいと願う私の心境を読み取ってください。
〈標道(しるべみち)を探しながら〉
今も尚
探しています
明日へ続く道標
標(しるべ)なき道を歩き続け
迷い悩み悲しんで
春秋を超えてきた
僕の心の本棚に
整理できずに散らかって
あっちにこっちに開いてる
標の地図は色褪せて
幸福への道は霞んでく
・・・・
今も尚
探しています
未来へ続く道標
右も左も夜(よ)は更けて
一番星も見つからず
月待つ夜道に標なく
探り探り歩いてく
何時しか気付かず
強欲エゴイスト
すべてを捨てた浮草は
ぷかぷか揺りかご心地よい
・・・・
今も尚
探しています
あなたの住む国へ続く道標
ハカハカとした人生に
終わりを告げる標道
ニッコリ笑える標道
これからもずっと
あきらめることなく
昇り続けたい
神の導く
愛の階
※ ハカハカ:岩手県や宮城県などの方言。息が絶え絶えで疲れているさま。はあはあと呼吸をしているさま。心臓がどきどきしているさま。
▽ 東北地方には、思わず吹き出してしまうような楽しい方言もあります。
例えば「どうぞけつかけてたんせ」・・・これは秋田県の方言だと聞いていますが、その意味は「どうぞお座りください」と言うのだそうです。
東北地方に行かれたことのない方は、一度旅してみてください。
次の詩は、春の喜びを書いてみました。吉田拓郎の結婚しようよという歌の中に♪もうすぐ春がペンキを方にお花畑を散歩に来るよ♪という歌詞がありますが、まさにそんなうきうきした醇乎な心を書いてみました。
私は、2月3月になると、なぜか心が浮き立つのでした。
花粉症に悩まされている方たちにとっては『楽しい春ではなく…辛く苦しい春』だと思いますが、この詩はあくまで、能天気な私の気持ちだと思って読んでください。
〈そよ風の春〉
久しぶりの青空と
真ん丸元気な太陽に
思わず心は動きだし
窓という窓を
これでもかと言うくらい
力いっぱい開けてみた
すると春のそよ風が
ちょっぴり香りを連れてきて
僕の鼻をくすぐった
そして心には
暖かな春の
息吹に満たされた
・・・・
青いっぱいに広がった
宇宙の海に浮かぶ雲
赤や黄色に彩られ
そよそよ
そよそよ
そよぐ春の風
花の香りに乗っかって
チュンチュン小鳥の囀りが
僕の頭上へやって来た
そして心には
小鳥の歌の優しさに
フアフアフアと夢の国
・・・・
朝の眠りに誘われて
鼻をくすぐる春の風
リハの森の木洩れ日に
新たな命が溢れだし
かさかさかさと
足音散歩音
どこかの可憐なお嬢さん
歩く音にも教養が
僕の胸でざわめいて
そして心には
お花畑を
ゆらゆら揺らぐリハの風
※リハ:国立障害者リハビリテーションセンター
▽ 恥ずかしながら、ちょっぴりメルヘンチックに作ってみました。柄にもないと言いたい方もいることでしょう。そんな私の心の内は、春になった喜びが、盛り沢山に入っているのです。季節の変わり目には、体調を崩す方もいます。特に芽吹きの季節は体調がすぐれ無くなる方は多いようです。どうかご留意ください。
最後に、近い将来、花粉症を完治できる薬を作り出すことができますようにと、心から祈念いたします。
今回も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
石田眞人でした